2017年4月21日

孟意堂風水的 パワースポット探訪No9

孟意堂風水的 パワースポット探訪

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現在の皇居、かつての江戸城は、風水学を取り入れて建てられたというのは有名な話です。東京の礎は風水学で築かれたといっても過言ではなく、パワースポットとしては王道ともいえる神社仏閣だけでなく、見慣れた街並みや空間にも風水学上、エネルギーが満ちた場所がたくさん点在しています。
そこで孟意堂風水の久美子先生と身近な場所にあるパワースポットを巡りながら、あなたに最適な場所をご提案します!

【今回のパワースポット:増上寺(東京都港区)】

効果として:
金運を集めたい人に向いています。大金持ちになりたいというよりは、小金でいいから自分のところに保持しておきたい人。例えば、しっかり働いて、どんどんお金が入ってくるのに、入ってきたぶんだけ出ていってしまうような人には、足しげく通った方が良いお寺です。ただ、十干の中でも火のエネルギーでアクティブになれる人、水のエネルギーが必要ない人には向きません。

●増上寺は人が集まるパワースポット

編集部:桜が満開の増上寺にやって来ました。人が多いのは花見かなと思ったのですが、他にも理由があったみたいです。浄土宗の元祖である法然上人の忌日法要「御忌大会(ぎょきだいえ)」が行われている期間でした。

久美子先生:どうりで人が多いと思いました。桜も美しい時期だし、まさに訪ねるにはうってつけの日ですね。でも増上寺って、行事が開催されていない日も参拝者は結構多いですよね。

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編集部:それはどういうことですか?

久美子先生:人が集まるように考えられていると言ったらいいんでしょうかね。増上寺の大殿は卯(うさぎ)の方位、つまり真東を向いているんですね。この真東という方位は、風水でいえば、真北の子(ねずみ)、真南の午(うま)、真西の酉(とり)と並んで「桃の花」と呼ばれるものです。良い言い方をすると人とのご縁を結ぶ良いエネルギーを持つのですが、悪い言い方をすると、人を憎んだり恨んだりといった愛憎劇にもつながる。本来、お寺というのはこの世を捨てた人が集まる場所だから密度の濃い人との縁は不要だろうと思われがちですが、日本のお寺には、こうした人とのご縁を大事にする方位に玄関がある場合が少なくありません。

編集部:だから卯の方位に置かれた増上寺は、人が集まってきやすいお寺といえる。

久美子先生:そうですね。現在の場所に増上寺が移転されたときに、どこまで配慮されたのか。憶測に過ぎませんが、徳川家康公が増上寺を菩提寺に選んだ後の1598年、増上寺は今の場所に移転してきています。私がとても尊敬している天台宗の僧である天海和尚は、家康公時代の国師として、江戸幕府の施策や、江戸のまちづくりにアドバイスをしていました。鬼門を寺社で封じるなどといった工夫を江戸のまちに仕掛けたといわれている人ですが、日光東照宮のように様々な動物が祀られているところなどを見ても、ここ増上寺にも天海和尚のアドバイスがあったように見えますね。

●親しみやすい雰囲気は方位にあり

編集部:人が集まるお寺になると、何がメリットになるんでしょうか。

久美子先生:単純に考えれば、何度も参拝することで信仰心が高まり、参拝する人たちが徳を積み良い行いをし、ひいてはそれが治安を守ることに結びつきますよね。信仰心が高まって、人々がむやみやたらなことをしなくなると、江戸幕府にとってもありがたい。

編集部:確かにそうですね。

久美子先生:大殿は卯の方位だといいましたが、徳川将軍家墓所は同じ東でもまた違う方位を向いていて、本当に良くできているなと感心しています。

編集部:日比谷通りに面した三解脱門から境内に入ってきました。正面にある大殿の脇を通りぬけると、徳川家の将軍6人が埋葬されている徳川将軍家墓所に突き当たりました。大殿の裏側にあるので、同じ真東にあるのかと思ったのですが。

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久美子先生:徳川将軍家墓所の方位は乙。真東にあたる卯から少しだけずれています。この乙という方位が持っているのは明るくて楽しいエネルギー。お墓なのにと違和感があるかもしれませんが、お参りして嫌な気持ちにならない、むしろここに来て良かったなとか、何となく明るい気持ちになれるのは、この乙の入り口のなせる業だと思います。この乙の方位を持った場所を他に挙げるとすれば、九州の太宰府天満宮ですね。太宰府天満宮は、菅原道真公の御墓所の上に社殿を造営した神社。つまりお墓があった場所なのですが、明るさを感じる神社です。参拝しただけで何となく頭が良くなった気分になれます(笑)。

編集部:何となく気軽に足を運べるというのか、敷居が低い感じということでいえば、増上寺にも太宰府天満宮に通じる親しみやすさがあると私も感じます。

●龍が水を呼び寄せ、金運を運んでくる

久美子先生:親しみやすい増上寺ではありますが、ここは徳川家ゆかりのお寺です。そこで徳川家の視点に立って増上寺を見てみましょう。この場所に増上寺を置いたには必ず理由があると思うので。私たちは徳川将軍家墓所の前に来ていますが、立派な門がありますね。この門を見て何か気づくことはないですか?

編集部:何だろう。え~と重厚な門で、立派な装飾が施されていますね。

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久美子先生:その装飾に注目です。龍と水が描かれているでしょ。風水では水が集まるところにお金が集まると考えられています。そして海や川といった水を操る力を持つのが龍です。先ほど三解脱門から境内に入ってきたわけですが、JR浜松町駅方面に少し歩いたところに大門と呼ばれる山門がありました。あの周辺からJR浜松町駅あたりまで、以前は海だったはずですから、東京湾というか太平洋の水をぐっと引き寄せる役割を龍がしていたのだと思いますね。ただ水は流動的なものだから、入ってきたとしても流れて出ていってしまう。だから風水では木のグッズを置きます。海岸沿いにある松のような大木も究極の風水グッズです。なぜかというと、大木は水分を吸収し、蓄えておくこともできるからです。

編集部:三解脱門前の芝公園周辺は松原と呼ばれていて、空襲で焼けたりして今はくすのきになっていますが、以前は松を植えていたみたいですね。

久美子先生:松を植えて水を吸収することで、徳川幕府としては財政の安泰を願ったんじゃないかしらね。もっと言えば、増上寺には黒本尊阿弥陀如来が祀られていますが、黒という色は風水においては水を表しています。そこから考えても、財を成すためにという意味合いは強かったはず。

編集部:つまり増上寺はお金をためるノウハウが施されているパワースポットといえますね! 私は全然お金がたまらないタイプなので、近くまで来ることがあったら増上寺を散策してみます。今回は桜の時期に訪れましたが、増上寺は紅葉の時期もきれい。7月末には盆踊り大会、秋には薪能など、年間通していろいろな行事も開催されていますしね。

久美子先生:あ、でも腸が弱っているときはやめたほうがいいですよ。もともと腸の弱い人は水のエネルギーが強いので、お腹にテキメンということになりかねないですから。

編集部:わかりました! 食べ過ぎの日は避けます(笑)。

(プロフィール)

孟意堂 久美子(まんいどう・くみこ)
孟意堂 久美子(まんいどう・くみこ)
名古屋市出身。学生時代から中国に興味・関心を持ち、結婚を機に香港に移住。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、風水師デビッド•ソーの弟子として無常派風水に師事。2008年デビッド・ソー氏が急逝する一週間前、「風水マスターとして独立しなさい」と告げられたことをきっかけに、ソー氏の意思を受け継ぐことを決意。その後、香港風水界の四天王と呼ばれた白鶴鳴氏、朱鷸橋氏らに師事し、風水三合法・三元法の大家である漢五派の門を叩く。
漢五派を継承した唯一の日本人として、第七十三代嫡系・孟意堂(意に長けるの意味)の名を授かり、企業や有名店、そして個人への風水鑑定やセミナーを行う。風水学だけでなく、四柱推命や、お日柄や暦を見る「擢日(たくじつ)」を組み合わせるのが孟意堂風水の特徴で、風水によって人の心と生活を豊かにしたいと中国・日本を行き来しながら活動を続けている。

金運を引き寄せる 孟意堂風水

著書「金運を引き寄せる孟意堂風水」(廣済堂出版)

孟意堂風水 公式サイト
http://mannidou.com/

Pocket page weekly「香港・孟意堂の風水シリーズ!」
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