秋の京都にはたくさんの魅力がありますが、今回は、特にお茶に初心者の方や、より深く日本文化を知りたい方に、お勧めのイベントをご紹介します。
京都御所の西側に位置する、数奇屋建築の建物を利用した素敵なお庭がある文化施設、有斐斎弘道館(ゆうひさい こうどうかん)。施設名は、建物がある場所にかつて存在した江戸時代中期の京都で活躍した儒学者・皆川淇園(みながわきえん)が創設した学問所「弘道館」に由来しています。
皆川淇園は、有斐斎弘道館で円山応挙、与謝蕪村、長沢蘆雪らと親しく交わり書画会をプロデュースするなど、多くの文化人と親交を結んでいます。2009年に取り壊される話が出て、マンションになりかけたことから、有志により保存の声があがり、2013年には公益財団法人となり、運営されてます。
旅の楽しみに、文化講座や茶道体験で日本の粋な和を体験
現在、有斐斎弘道館は、有職菓子御調進所「老松」の現当主であり茶人でもある、太田達(おおたとおる)氏を中心に「有斐斎 弘道館」では、毎月お茶をテーマにした文化講座や茶道体験など、さまざまな文化活動が展開されています。
季節やその日の来客に合わせて、踏み石の位置や高さなどに変化をもたらし、水を打ち「露地」を造ってお出迎えくださいます。
お庭は550坪もあり、以前は荒れ放題のお庭だったそうですが、現在では、すべて弘道館のスタッフの方がお手入れをされているそうです。
こちらのお写真は「茶と湯の空間」をテーマとした、東京日本橋三越で2016年9月に開催されたイベント。
講師はいつもお話がユニークな老松の店主 大田達氏とご一緒したときのものです。
お客様を招いた茶席(茶会、茶事など)のメインテーマは、床の間に飾られた、掛軸の言葉に表わされており、じっくり眺めて、楽しむのも粋だと思います。
今回太田先生がお持ちなった掛け軸も、素晴らしく奥深い意味をもち、楽しい掛け軸でした。我が家には床の間がありませんが、お話を伺うとやはり日本ならではのあしらえの素晴らしさを再確認しますね。
今回茶席で頂いたお茶椀はなんと、あの有名選手が手にとったもの!
ベルリンワールドカップのお茶会で使われたもので、なんと、ベッカムがこれで飲んだそうです。
クマの柄がサッカーボールで可愛いですよね。
ぜひ、有斐斎弘道館で京都の秋をお楽しみください。
公益財団法人 有斐斎弘道館
<2016年10月 開催予定の講座>
* 2016年10月01日(土)茶事/茶会秋の茶事
* 2016年10月03日(月)茶事/茶会秋の茶事
* 2016年10月08日(土)講座信仰からみる京都岩倉・磐座の地
* 2016年10月18日(火)講座茶の湯の文化を識る公家の茶
* 2016年10月18日(火)講座京菓子専門講座蕪村と若冲〜作品をつくる(実習)〜
* 2016年10月30日(日)講座江戸時代の<教養>を考える茶書
詳細はこちらのサイトをご覧ください。
http://kodo-kan.com/
ちなみにお茶に欠かせない、京都「老松」の和菓子もたいへん美味しく、ご旅行の予定がない方も、東京では新宿伊勢丹でも購入することができますよ。
(著者プロフィール)
大谷 りえ子
海外駐在約13年。
帰国してなぜか美味しいものに目覚め、三ツ星レストランからB級グルメまで幅広く。
プラス体重維持に、毎日のジム通いを日課にしている主婦です。
日本の文化面では主に、食に加えて東京近辺の美術館巡りとフラワーアレンジの向上にと興味たっぷりです。