2016年11月28日

-GOITA- 今と昔を遊びで行き来する「ごいた」

和を楽しむア・ラ・カルト

日本伝統のゲーム、ごいた

「ごいた」という言葉を知っていますか?

日本伝統のゲーム、ごいた

「ごいた」というのは将棋の駒に似た竹製の駒と盤を用いて行われる日本伝統のゲームです。
もともと「ごいた」は石川県鳳至郡能都町の漁師町に伝わるゲームなんですが今、この「ごいた」が若者の間で、ちょっとしたブームになっています。

日本伝統のゲーム、ごいた

日本伝統のゲーム、ごいた

日本伝統のゲーム、ごいた

日本伝統のゲーム、ごいた

将棋よりももっとライトで、1度プレイするだけでルールも覚えられるというところからアナログゲームが好きな若者などを中心に、今また「ごいた」が広がりつつあります。

日本伝統のゲーム、ごいた

■初心者用プレイボード■

「ごいた」ルール説明

ごいたは2対2のペア戦です。

盤上に32枚の駒を伏せて並べ、親から順に1枚ずつ取っていき全員が8枚の駒を取ったらゲームが始まります。駒には「王(玉)・飛・角・金・銀・馬・香・し」と書かれた物があります。(上記写真を参照)

親は自身の前に手持ちの駒の1枚を上段(受け)に伏せ、下段(攻め)にもう1枚を表向きで出します。(駒を置く場合は必ず上下の2枚に置きます)以降は、反時計回りに進行し最後に攻めに出された駒と同じ駒を持っている場合、自身の前の上段にその駒を出すことができ、新たな駒をその下段にもう1枚、、、といった具合に駒を出していき、最初に手持ちの駒をなくしたプレイヤーのいるペアに最後に出した駒の得点が入り、また駒を配り直しゲームが始まります。そして先に150点に達したペアが勝利となります。
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■能登ごいた保存会大阪支部/クリエーター&ごいた喫茶■

katoryo*さん

日本伝統のゲーム、ごいた

-Profile-

2012年1月よりボードゲーム喫茶デザート*スプーン(通称デザスプ)を経営。
元々、同じ建物内でクリエイト業を行っており、50年前から内装が変わらない喫茶を居抜きで利用し、大阪谷町六丁目にて日本初のボードゲーム喫茶としてオープン。
現在もクリエイト業をしながらボードゲームを日本中に広める為に出張イベントやトークイベント、ゲーム制作サポートなど幅広く活動をしている。

日本伝統のゲーム、ごいた


Q1:「ごいた」との出会いはどういう経緯だったのでしょうか?

現在、同じ支部員でありデザスプのお客さんでもある方にあるとき「ごいたやってみませんか?」と言われ、プレイしたのが出会いです。なんとなく名前だけは知っているといった程度でしたが、たくさんの海外の洗練されたシステムのボードゲームが出ている中で日本の古いゲームでそこまで面白いはずはないだろうと内心思っていましたが、プレイしてみると今までに遊んだことのない不思議な感覚に飲み込まれ、それが何なのかを知りたくなり今に至ります。

Q2:初めて能登(石川)に訪れた時の印象など、どうでしたか?

2か月に一度宇出津町で行われる大会に出場するために大阪から車で送っていただいたのですが、石川県に入るとすごく濃い霧やゲリラ豪雨に雷とひどい天候だと思いきや、会場に到着しあたりを散策しようとしたらビックリするくらいの快晴になりました。
そして、港町ということもあり目の前の日本海を見渡すと大阪では見れないきれいな水平線。
こんな素敵な場所で漁師さんが古くからごいたで遊ばれてたなんて羨ましいかぎりです。

Q3:katoryo*さんが店主をしているボードゲーム喫茶「デザート*スプーン」では他にもたくさんのボードゲームがあると思うのですが今「ごいた」を広めたいと思ったのはどうしてですか?
現在、世界のいたるところで新しいルールが組み込まれたゲームが毎年1000タイトル以上作られています。日本人作家のゲームも世界に羽ばたいており、年々ボードゲームのプレイ人口が増加しております。
では、日本発祥の皆さんが知っているボードゲームで世界に広がっているものにはどんなものがあるでしょう?
中には、将棋や囲碁と思われる方も多いかと思いますがそれらはシルクロードを渡って出来上がったものであり日本の物ではありません。私が知っている限りでは故・長谷川五郎さんの考案された「オセロ」くらいしか知りません。日本に古くから伝わるゲームでたくさん良いゲームはありますが、その中でも「ごいた」はビックリするほどシステマチックなルールな上に駒さえあればどこでもできるコンパクトさ。しかし、4人でしか遊べないという欠点もあるので、それなら誰もがじゃんけんの様にいつでも遊べたらと思ったのがきっかけですかね。(どのボードゲームにも言えることですが。笑)

Q4:「ごいた」の楽しいところはどんなところでしょうか?

何よりも面白いのは2対2のペア戦であるということです。多くのゲームは誰か1人が勝者になるようなゲームが多いですが、この「ごいた」は味方との呼吸が合わなければ勝つことができないのにもかかわらず、大会でもそのペアが試合ごとに変わるので、どんな人とペアになっても阿吽の呼吸で挑まなければならないところですね。また、その例として能登の熟練者と勝負をしているとただ配られた駒を持っただけなのにも関わらず何を持っているか当てられてしまうくらい。奥が深いです。

日本伝統のゲーム、ごいた

日本伝統のゲーム、ごいた

日本伝統のゲーム、ごいた

katoryo*さんが手作りで制作しているオリジナルのコマ
(現在、完売してますが下の木製のものは受注生産を行う予定とのこと。
気になる方はデザート*スプーンへお問い合わせください)

 

最初は、将棋のコマに似ているということからもなかなか敷居の高そうなゲームと思われがちなのですが、実際プレイしてみると意外と誰でも手軽に楽しめます。

VRやスマフォゲームにはない、アナログの手触りやルールの奥深さ、
そしてその独特な中毒性は今だからこそ注目したいコンテンツかもしれません。

古くから日本に伝わる伝統を、遊びを通して知る。というのもまたとっても粋ですよね。
みなさまも「ごいた」で、今と昔を行き来してみてはどうでしょうか。

■ボードゲーム喫茶デザート*スプーン■

ボードゲーム喫茶デザート*スプーン

2012年1月23日にオープンした日本初のボードゲーム喫茶。
ふらっと喫茶目的で来られた方でも気軽に遊べるボードゲームがたくさんあることを知ってもらい、気軽にいつでも誰とでも遊べるようになってほしいという思いから開業。
初めて出会ったお客さん同士が一緒にテーブルを囲み自然とコミュニケーションをかわす空間づくりになっているのが特徴。ボードゲーム業界では珍しく女性のお客さんが多いのも特徴。
シルクスクリーンプリント、カッティングシートなどクリエイトの受注も行っております。

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【HP】http://www.des-s-art-spoon.com/

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wafulu ライター

GranewtonPicinic!

あこちゅあ

人を驚かすのが大好きな母親と、手先が器用な父親に甘やかされて育てられる。
(その血をそのまま受け継ぐ)
8歳のころから作詞をはじめ、サーカスと電飾と携帯電話と科学館が大好きな大人にすくすくと成長。

spoon+のプロデュースをはじめ、
2014年に立ち上がったWEBブランド「GEEKCLOTHING」のデザイナーもつとめる。
PV監督などの映像制作、イベント演出、アートディレクション、番組ナレーション、MC、
撮影モデルなど活動は多岐にわたり、いよいよ自分が何者かわからない。

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【officialWEB】http://spoon-web.net